スロヴァキア行きのチケット
さあ、スロヴァキアに向けて出発!
と言いたいところですが、その前にひと騒動。
ここは、ハンガリー・ブダペストのネープリゲト長距離バスセンター。
ここからポーランド・クラクフ行きのバスに乗り、途中スロヴァキアのルジョンベルクで途中下車し、1泊。
その翌日、クラクフへ、という段取りです。
このバスターミナルは前日に実地検証すみ。
ターミナル一番奥の、国外路線のチケット売り場へ行き、番号札を取って、呼ばれるのを待ちます。
出発時間は8時55分。今は7時。あと2時間もあり、席は余裕で空いてました。
で、運賃12,400フォリント(約5,000円)を払おうと、10,000フォリント札を2枚出したところ、
(前日の夕方、無駄にフォリントをキャッシングしたので、どうしてもフィリント紙幣を使いたかった。)
「No! NO! NO!」「I Have No Money」
よくわからないので、つたない英語でやりとりをしたところ、
どうやら、お釣りのお金がないらしい。
だから、まわりの商店で両替(あるいはお釣り)して2,400フォリントを作ってきて、とのこと。
まあ、意地悪で言ってるわけでもなさそうだし、
時間はあるから慌てなくていい、席はちゃんと取っておくから、だって。
それならわかった、細かいのを作ってくればいいわけね。
あいよ。
と言われる通りやりましょう。ただ、いちいちパックを担ぐのが大変だけど。
でも、ここからが結構大変だった。
ミネラルウォーターやガムなどを買おうとするが、ことごとく、10,000フォリント札を出した瞬間に、「ノー、ノー」と拒否される。
けっこう、意外に心折れそうになる。
4、5軒目の怪しげな雑貨店の、10代ぐらいのヤンキー店員に聞いたら、
「うちにも細かいのはないよ」「まだ朝早いから、細かいのは貯まってないのさ。どこも同じ。」
「でも、あっちのほうにある(といって指差す)パン屋は、朝早くから客が多いからあるかもよ」
なるほどね。うん。
教えられた方向にあったパン屋さんに入って聞くと、OK!
よかった!!
みんな開店時間に細かい紙幣や硬貨を準備していない、というのが当たり前の世界。
それはそれでいいんだよな。
こっちが準備すべきということを教わりました。
で、このパン屋さんでは、サンドで一番高かったポークカツバーガー、800フォリント(約320円)を買った。

チケット売り場に戻り、あらためて切符を買う。
おばさんは発券手続きをしながら、「ルジョンベルクは花の山、って言うの。花と山、花はローズ、だから薔薇の山ね。とても綺麗なところよ。しっかり楽しんで来てね。」とわかりやすい英語で説明してくれた。
言ってることが、とても素敵でした。
無事チケットゲット。
外のベンチで待っていると、いろんな行き先のバスがやってくる。
ワルシャワ、プラハ、ウィーン、ベルリン、ザグレブ、ベオグラード....
やっぱりすごいわ、ヨーロッパ。とりあえずこんな感想しか出てこないけど。
ブダペスト〜ルジョムベロク
定刻通り出発。
ブダペストの街を出ると、ひたすら丘陵地帯を走る。
時々通過する、村はイメージの通りのヨーロッパの田舎町。
スロヴァキアに入ると、少し標高が上がったみたい。

ズヴォーレン。ここは目的地の1個手前の町。
ルジョンベルク
ブダペストから4時間ほどかかってルジョンベルクに到着。

これがバスターミナル。中には誰もいません。

乗ってきたFLIXBUS。快適でした。
バスターミナルに隣接しているのが、ルジョムベロク駅。
民家だけでなく、駅舎もパステルカラー。

あとは、横に「Coop」というスーパーがありましたが、それ以外はなにもなし。
全く何もなし。
駅前に、タクシーは1台だけ停まってます。
そもそも、いったいここでどうする??
ヴルコリニェツ
ブダペストからポーランド・ケラクフまでバスで行くのは早めに決めていたが、せっかくスロヴァキアを通るのなら1泊ぐらいはしていこうと。
ちょうど中間ぐらいの位置にあったのが、このルジョムベロクという町。
ここには何があるのかな、とネットを見ておりましたら、なんと近郊に「ヴルコリニェツ」という世界遺産があるではないですか!
ここは、「中世以来の伝統的な工法の建物群が現存」「地元の人々が実際に暮らす村落で世界遺産に登録された」「小さな村のため、町並みなどが対象となる「建造物群」に分類される文化遺産の中では、最小クラスの物件である。」(Wikipediaより)
ふむふむ、なるほど。
写真を見ると、山の中にある古い小さな村だ。ハイジの家みたい。
GoogleMapsで測ってみると、駅から6.3km。
ただし、公共交通機関は、バスが一日数本、3kmほど離れた山の下を通るだけ。しかも週末は運休だと。(この町に到着したのは土曜日。)
タクシーで行くようなとこでもないし。もし、駅前とかに同じような旅行者いたりするなら選択肢となり得るが。
まあ、天気が良ければ、適度なトレッキングコースのような感じで行けるのではないか。
そのつもりでここまで来た。
そう、天気がよければね。。。。
ところが、午前中バスに乗っている時から、灰色の雲は厚く、途中からパラパラと雨が降ってきた。
第一、傘も雨具も持っていない。
これは、完全に戦意喪失。
あっさり、白旗。
うむ、やめる勇気も大事だ。などと自分に言い訳しながら、あきらめる。
ぢゃあ、これからどうする?
今日の宿
今日の宿に行こう。雨も強くなってきたし、町になにがあるわけでもなさそうだし。
さて、今日の宿は。
「Privat DAŇO」という民宿です。いつものようにBooking.comで見つけました。
このルジョムベロクという町は、すでにごご察しとは思いますが、宿泊施設自体が少ない。
だから安宿(ただ単に宿泊料が安い宿)にいたっては、2、3軒のみ。
それなら、いっそのこと町から離れた民宿に泊まってみようと。
宿泊料は、22ユーロ。
ルジョムベロク駅からは約5km。よく地図を見ると、ひとつ隣のリスコヴァという駅のそば。
だったらなんとかなるだろうと、軽い気持ちで予約入れてます。
リスコヴァへ
それでは移動しよう。駅の時刻表で東方面行きの電車をみると、20分後にある。
念の為、表に出てタクシーの運転手に、リスコヴァ行きのバスはあるかと尋ねたが、スロヴァキア語が全く理解できず撃沈。ということは、むこうもわたしのプア英語も理解できなかった、てことだ。
素直に駅の窓口で切符を買う。
リスコヴァに行きたい、と確認した上で購入、0.5ユーロ。一駅ですから。

駅舎の中に、コインロッカーがありました。これだけ大きいコインロッカーならパックも十分に入ります。
列車待ちの間、雨が強くなってきた。駅舎で待つ人は2、30人ぐらい。結構多い。
みんな、どこに行くのか?帰るのか?まだ12時過ぎなので、どちらかも見当つかない。
イマイチ元気も湧かないので、尋ねもしない。
今思えば、リュックやパック、それにトレッキングポールを持っている人が多かった。
そう、それこそ世界遺産ヴルコリニェツにトレッキングに行った帰りだったんだろう。
朝イチでルジョムベロクに来れば、昼には帰れるということか。
電車に乗り、わずか2、3分でリスコヴァ駅に到着。

まさかの立派な車両。

最新式の電車。

自転車があって当たり前の車内。

USBも当たり前。
この頃は雨が結構ひどくなってるがどうしようもない。
駅は無人駅だし、まわりには民家がぽつぽつあるだけ。


駅前には信号もない。
あきらめて、普通に濡れながら宿を目指す。
常にGoogleMapsを見、携帯もびしょびしょになりながら、迷い歩くこと10分。
Privat DAŇO
ようやく、「Privat DAŇO」に到着。

というかこれ、本当に単なる住居じゃないですか。民宿らしき看板も案内も一切なし。
住所も、Booking.comに載ってる写真も間違いないので、門を開け入っていく。
正面の階段を上がったところに玄関。鍵は閉まってないので、中に入る。
とりあえず、濡れたパックを置いて、ホストを探す。
階段を登らずに奥へ進むと別の玄関が。でも、ノックには反応なし。
その奥は畑になっていて、その向こうは隣家の畑や納屋がある。
だけど宿主がいない。困ったな。外は雨だしどうしようもない。
中に戻ってテーブルを見てみると、ノートになにやらいろいろ書いてある。
でも残念なことにスロヴァキア語。全くわからない。
唯一の救いは、Wifiのパスワードがわかったこと。これは大きい。
でもWifiが使えるなら、さっきのノートのスロヴァキア語を解読できたはずだったのに。
その時は、頭が回らなかった。
逆に考えると(今思えば)、ロールプレイングゲームのノリでやっていけば、もっと楽しめたかも。
次はそうしよ。

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